【NSBC補講II】 BリーグNo.1経営者のビジネス論BACK NUMBER
千葉ジェッツが社員旅行する理由。
Bリーグで唯一無二となるために。
text by
島田慎二Shinji Shimada
photograph byCHIBA JETS FUNABASHI
posted2018/08/23 07:30
今年6月には社員研修旅行でグアムに。1年間を労い、新シーズンへ向けて英気を養った。
イベント1つとっても勉強になる。
現地で楽しむイベント1つをとっても意味があります。例えば川下りツアー。ツアーコンダクターがホテルまで送迎し、バスでの移動中も飽きないように話をしてくれたり、船の上でも観光客である私たちを盛り上げてくれました。
彼らの言動は、普段、興行としてアリーナにファンの方をお迎えしてもてなしている私たちにとって勉強になることが多いのです。
確かに普段、数字的な目標を提示するのは私ですが、その源泉はスタッフみんなが頑張っているからこそでしょう。スタッフが頑張らなければ、私が何かを言ったところで達成することはできません。そういった意味では社員旅行は、いわばみんなが頑張ろうと意識を高める儀式になっています。
ただ、短い労働時間で利益を出し、社員旅行にも行ける会社であることは確かに素晴らしいことですが、これは結果が出ているからこそ。
Bリーグ2年目も、売上高14億2704万0411円(前年比156%)、経常利益8995万9758円(前年比234%)、税引前当期利益8995万9758円(前年比234%)、総観客動員数15万5895人(前年比115%)と(※8月21日発表 https://chibajets.jp/news/detail/id=9027)、すべての経営数値において、目標値を大きく上回り、7期連続黒字を達成していますが、結果が出せなければ実現は不可能です。
いつまでも危機感を持ち、結果を出せるような会社にしていこうと私自身はもちろん、スタッフにも常に声掛けをしています。
結果を出すことで信頼関係を構築。
現在、クラブには選手やコーチングスタッフ、チームスタッフ、専属マネジメント契約も含め、合計50人ほどが在籍しています。スタッフに伝えていること、求めていることは、やはり“結果”を出すこと。
多少キツイことを言うので、私に対して不満もあると思いますが、おおむねついてきてくれていると思っています。それは私の人柄に惚れているからということではなく、結果を出しているからです。私がたとえ優しくても、給料が安くて我慢して……であれば、誰もリスペクトしてくれないでしょう。結果を出すことで信頼関係を構築することができている。それがプロの経営者としての源泉でもある。
だからこそ、私はその点にフォーカスしているんです。もし、私が結果を出せなくなったらみんな引いていくのだろうなという恐怖心を持ち、理解しながら生きています。経営者とは孤独であり、寂しいものなんですよ。