【NSBC補講II】 BリーグNo.1経営者のビジネス論BACK NUMBER
千葉ジェッツが社員旅行する理由。
Bリーグで唯一無二となるために。
posted2018/08/23 07:30
text by
島田慎二Shinji Shimada
photograph by
CHIBA JETS FUNABASHI
千葉ジェッツふなばしでは3年前から毎年1回、社員旅行を実施しています。初年度は国内の温泉に、昨年、今年は2年連続でグアムに出かけています。
プロスポーツクラブで社員旅行を行うのは異質なことだと捉えられがちですが、これは成果主義に基づき、結果にコミットしている中で行われたもの。例えば、働き方改革が話題となっていますが、普段仕事をする上でも頑張ってもそれに見合うだけの評価や報酬が得られないようではただ疲弊していくだけです。
社員に対して評価や報酬を決定する基準が曖昧になっていては意味がありません。
だからこそ、私はスタッフに対して、給料を上げるためにどれだけの利益が必要になるのかを明確に提示し、目標を達成したら社員旅行にも行こうと宣言しているのです。業績を上げる仕組みの1つの中に、スタッフのモチベーションを上げることが組み込まれているという感じでしょうか。
旅行で生まれる団結力と士気。
社員旅行ではスタッフの1年間の労をねぎらうことはもちろんですが、旅行期間を通してまたこれから1年間頑張ろうと士気を高めることや、一致団結することも狙いの中には含まれています。
一言で「チームや興行の価値を上げていく」と言っても、普段はチケット担当はチケットを販売することを考えていますし、ファンクラブ担当ならファンクラブ加入数を増やすことを考え、スポンサー担当はスポンサー営業をしています。
もちろん、状況に応じて横の連係もありますが、それぞれの仕事は縦割りで行う場合が多い。しかも、うちは仕事は早く終えて、家族や自分のために時間を使ってほしいという会社ですので、就業中に仕事以外のコミュニケーションが多くありません。
社員旅行のような機会で旅行自体を楽しむことはもちろん、仲良くなりますし、「みんなでまた来年ここに来るぞ」と団結力にもつながっていきます。