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オリンピックへの道BACK NUMBER
「伝える側になれたら面白いなと」競泳・今井月(24歳)が引退後に明かした“今後のキャリア”本音…「あの取材はイヤだった」経験も生かしたい
posted2024/10/31 11:01
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
Tsutomu Kishimoto/PICSPORT
15歳でリオデジャネイロ五輪に出場するなど、若くして脚光を浴びた競泳の今井月が引退を表明した。現在24歳の彼女が、思い描く“今後のキャリア”について赤裸々に明かした。《引退特別インタビュー全2回/前編から続く》
引退発表後に明かした“今後のキャリア”
今井月は競技生活を退いた。もちろん、人生はこれからの方が長い。
自分は新たにどこへ進むのか、考えた。
「今までこれだけ頑張ってきたので、形を変えても経験を生かせるようなことはしたいなと思っていました。ただ、例えばコーチになるのはちょっと向いてないと思うので、そういう道は考えませんでした」
考えた末、自分なりに答えを導き出した。
「これまでしてきた努力やいろいろな試練を乗り越えてきたこと、行ってきたこと、そういったものを違う形でやれるような仕事をしたいなと思ったときに、小さい頃から身近にあったメディア関係にも興味があり、そういった事に携われたらいいなという思いもあります」
かつては取材カメラに“葛藤”があった
思い起こすのは、今井が12歳だった中学1年生のときの日本選手権で3位となり、大きな脚光を浴びたことだ。以前の取材では、その頃の出来事をこう語っている。
「中学校への初登校の日、『行ってきます』と玄関を開けたらテレビカメラがいました。地元の局ではなくて、全国放送の番組です。前もってアポイントがあったわけではなくて、私は知らなかったし、父親もびっくりしていた気がします」
練習に行けば練習のプールにもカメラはあった。
「嫌でしたね。学校初日だったので、『やばい奴』って思われるじゃないですか。やっぱり恥ずかしかったですし、自分の中ではすごいことしちゃったのかもと思いながらも、そんなすごい選手じゃないのに、こんなにテレビの方が来てとか葛藤がありました」