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植田直通はベルギーの小クラブで
初めて守りの文化を味わい成長中。 

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中田徹

中田徹Toru Nakata

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photograph byUNIPHOTO PRESS

posted2018/08/21 11:45

植田直通はベルギーの小クラブで初めて守りの文化を味わい成長中。<Number Web> photograph by UNIPHOTO PRESS

まともなバトルならば植田直通が簡単に負けるとは考えづらい。まずは欧州のリズムと間合いに慣れることだろう。

「与えられた任務は達成できたかな」

 ズルテ・ワレヘムは万能型ストライカーのハルバウイに加え、俊足のシラ、巨漢のべディアを投入する。しかし、31歳のベテランCBコンビ、ランボットとトラベル、そして植田の3人は、ズルテ・ワレヘムの三者三様のストライカーに仕事をさせることなく試合を終わらせることに成功した。

 植田は、開幕2試合こそ出場機会がなかったが、前節のスタンダール戦ではトラベルの負傷によって右CBで先発し、アウェイでの0-0のクリーンシートに貢献。ズルテ・ワレヘム戦でも、自身が出た時間帯はしっかりとゼロで抑えた。

「今日の試合で自分が入った目的は、失点せず、勝って試合を終わらせるため。それが使命。僕はそれを遂行できたと思う。監督に与えられた任務は達成できたかな、と」

 だが植田は、「まだ全然やれてないなという感じです」と、この2試合を振り返った。「前回はスタメンで出ましたけれど、自分の良さをそこまで出せる試合ではなかった。 今回もそんなに時間が長くなかった。まだ試合の中で僕のプレーも見せていないので、監督もチームメートも分かっていない部分が多いと思う。練習からもそうですが、そういうところを試合でも見せたいと思います」

スタメンの2人は「ものすごくうまい」。

 チームに中堅層は少なく、無名のベテラン選手と、若いタレントによってメンバーが構成されている。守備の中心は、経験豊富なランボットとトラベルのCBコンビ。この2人を見ていると、どんなにチームが劣勢でも動じることなく、時には黙々と、時には激しく正確な守備をしていることに気づく。

 修羅場をくぐった男の余裕が、この2人からは伝わってくる――。そのような感想を簡潔に植田に伝えてみた。

「あの2人は、ものすごくうまい。学ぶことがたくさんあります。やっぱり、とても落ち着いているし、2人のコンビネーションが良いものをチームにもたらしていると思う。その壁を崩すというのは、自分にとってもかなり高いものになると思いますが、良いセンターバックだからこそ超え甲斐もある。

 今までも、自分は学びながら成長してきたと思うので、ベンチの場合でもいろんなことを学べると思っています。そういう意味では、現状をマイナスには捉えてません。今は成長、成長とやっていきたいです」

【次ページ】 鹿島の「勝者の精神」との葛藤は?

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#セルクル・ブルージュ

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