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ウッズの存在感が際立った2018年。
メジャー2度の優勝争いに加えて……。 

text by

舩越園子

舩越園子Sonoko Funakoshi

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posted2018/08/21 11:30

ウッズの存在感が際立った2018年。メジャー2度の優勝争いに加えて……。<Number Web> photograph by AFLO

タイガー・ウッズがここまでの復活を果たすとどれほどの人が信じていただろうか。

全米プロでケプカが同年での2冠を達成。

 そして、今季最後のメジャー、全米プロは、またしてもマザーネイチャーの悪戯に翻弄された。全米オープンではコースが干上がってコンクリートのようにカチカチになったが、全米プロの舞台、ベルリーブは逆に降雨で地面がぬかり、グリーンは最後まで柔らかかった。

 ロングアイアンで打ってもボールが止まるグリーンとなれば、トッププレーヤーたちはピンをデッドに狙ってくる。戦いの場は“ダーツゴルフ”と化し、スコアはぐんぐん伸びていった。

 その中で、優勝を競い合ったのは、またしてもウッズ、そして全米オープンを連覇したばかりのブルックス・ケプカだった。

 最終日を単独首位で迎え、さらに走るケプカをウッズは必死に追いかけた。だが、「ただの一度もリードを奪えなかった」と肩を落としたウッズは2位に甘んじ、ケプカが同一年に全米オープンに続いて全米プロも制するという史上5人目の快挙を達成。

「あのとき憧れたタイガーと」

 そんな驚きの展開と歴史的な締め括りになることを開幕前に予想した人は、きっと皆無に近かったことだろう。

 最終日最終組で回っていたケプカは、前方でプレーしていたウッズに大観衆が送った地響きがするような拍手と歓声を聞きながら、15年前に全英オープンを観戦に行った際に聞いたウッズへの大歓声を思い出し、自身の幼少時代を想起していたという。

「あのとき憧れたタイガーとこの僕がメジャーの最終日に優勝を競い合い、そして僕が勝ったことは、もう言葉にならないぐらい、信じられないぐらい、うれしくてたまらない」

 ケプカは感無量の様子だった。

【次ページ】 4大会すべてで際立ったウッズの存在感。

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