数少ない「打てる捕手」の貢献度も高い。

　若い2人と下位打線を構成し、選手会長と正捕手の二足のわらじを履く會澤の安定感も光る。今や球界でも数少ない「打てる捕手」として、相手バッテリーにも心の隙を与えない。

　捕手としては異例とも言えるリーグ4位の2桁10の死球が他球団の警戒心を表す。投手の前を打つ8番には出塁はOKと、長打警戒で外角勝負中心となるものだが、内角球を見せなければ抑えられない打者ということだろう。

　マジックを点灯させた8月15日阪神戦（京セラドーム）で記録した4年ぶり2桁本塁打は、広島捕手では史上2人目となる2度目のシーズン2桁本塁打だった。

　正捕手として安定しない投手陣をもり立て、選手会長としてチーム全体をまとめる。そしてバットでも勝利に貢献。一人三役の貢献ぶりだ。

　野間や會澤は、5番を任せられたこともある。相手の先発や選手の調子によって打線の並びは変わることも当然あるが、彼らを“下位打線”と甘く見てはやられる。3連覇を目指す広島打線は、タナキクマル、鈴木だけのチームではない。