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おかえりなさい、棚橋弘至――。
“G1史上最長の死闘”を徹底検証!
text by
行成薫Kaoru Yukinari
photograph byEssei Hara
posted2018/08/16 19:00
死闘を越えて掴んだG1王者の称号。最近燻り続けていた棚橋弘至が、久々に輝いた瞬間だ。
「G1、生き残りました」
マイクを手にした棚橋は、いつものような軽口を叩くこともなく、「G1、生き残りました」と表現した。まさに、本大会のサブタイトル「BE A SURVIVOR!」を象徴する一言だ。
エースでさえ、今の新日本の中に椅子は確保されていない。1つ下の世代のレスラーがキャリアのピークを迎え、さらに若いレスラーが下から猛烈に突き上げてくる。オカダ、内藤ら実力者たちも捲土重来を期すだろう。各ユニットの動きも活発化する中、孤高のエースは再び輝き、渦の中心となりうるだろうか。
棚橋復活の真価が問われるのはこれからだ。ただ今だけは、プロレスを愛するいち作家として、G1決勝の余韻に浸りながら、我らがエースの帰還を寿ぎたい。
おかえりなさい、棚橋弘至――。
作家・行成薫の最新作は、プロレスラーの「どん底からの挑戦」を描いた青春小説『ストロング・スタイル』。雑誌『Number』での連載や、『1976年のアントニオ猪木』『2011年の棚橋弘至と中邑真輔』で著名な柳澤健氏も「想像を超えるフィニッシュだ」と絶賛した傑作です。ぜひご一読下さい!