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二松学舎の1年生山田将義は図太い。
「1人だけ違う方向を向くのが捕手」
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byKyodo News
posted2018/08/12 14:00
二松学舎の1年生捕手・山田将義は、3年生にも対戦相手にも物怖じしないのだ。
3年生に「けっこう、いい感じですよ」。
4回途中から好リリーフを見せた3年生のエース岸川海も全幅の信頼を置いているように映った。
「ベンチでも頻繁にコミュニケーションを取ってくる。『まあ、けっこう、いい感じですよ』って(笑)。もう、馴染んでる感じがしますね」
経験が重要だと言われる捕手だが、二松学舎は4年前も、今村大輝(現・明治大)という1年生捕手を起用し夏の甲子園に出場している。市原監督の言葉だ。
「経験も大事なんですけど、もともと持ってる感性も大事。いくら経験しても感性が磨かれない選手もいますからね」
今村との違いについては、こう話す。
「山田の方が優等生ですね。今村はこちらの言うことを聞いてないときがありましたが、山田はちゃんと聞いてくれます(笑)。しっかり者ですね」
「甘え上手」も捕手の資質。
ただ、「甘え上手」な一面もあるようだ。山田は恐縮しながら言う。
「試合になったら下級生も上級生も関係ないと思ってやってます。ものすごくやりやすい環境をつくってくれているので。ただ、そのぶん、宿舎とかでは気を遣うようにしています」
市原監督は山田評について、こう付け加えた。
「上級生とうまくやってるところを見ると、ちゃっかりしているところもありそうですね」
それも捕手には必要な資質だ。