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大谷翔平に左投手の壁はある?
監督「彼の才能ならば間違いなく」
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byGetty Images
posted2018/08/04 11:30
マリナーズ戦、本拠地のファンの歓声を受けて8回代打で登場したが、三振を喫した。
日本の野球は3A? ソーシア監督の思わぬ本音。
右打者は小さい頃から遠くへ逃げていくボールと向き合うが、左打者はその経験が少ないから苦とする。確かに一理あると感じるが、外へ逃げていく球ならばインサイドアウトに左方向へ振り抜けば対応できる確率は高くなる。大谷にしてみれば、お得意の打撃である。
それでも、今の彼は左投手への結果が出ていない。ソーシア監督はサイ・ヤング賞左腕ダラス・カイケルや今季33歳でブレイクした元西武のウエイド・ルブランの投球スタイルに触れながら、大谷の課題を説明した。
「左打者のインサイドにツーシームを投げ切れる左投手が、左打者にとっては最も厄介だ。カイケル(対大谷3打数無安打)、ルブラン(6打数無安打)はまさにそうだ。彼らの武器はそこにある。だが、今のショウヘイは段階を踏む時期だ。日本で見たことのないような投手との対戦は、3Aからメジャーに上がってくる選手にも同じことが言える」
日本の野球は3A。思わぬところで本音が聞けたものだが、事実、日本球界には左打者の内側へツーシーム、カットを出し入れできる左投手は皆無であろう。指揮官は“これがメジャーで通るべき道”と言った。
大谷「右も左も関係ない。日々勉強」
今も昔も一流と呼ばれる左打者で、左投手を苦にする者はいない。それも変わらぬ事実だ。
「彼の才能ならば間違いなく通り抜け、素晴らしい打者になる」とソーシア監督は言った。大谷自身も向き合うべき点、課題は分かっている。
「ボールの軌道であったりとかは違うので慣れていかないといけない。常にどうやったら上手くなるかを考えながら、それは右も左も関係ないと思っています。日々、勉強だと思っています」
真の二刀流とはエースであり、レギュラー野手である。課題をひとつひとつクリアして行く姿を目にするほど楽しい取材はない。24歳の若者の取り組みをしっかりと見ていきたい。