西武ファンにしっかり信頼されている榎田。

　何よりマウンドでの立ち居振る舞いが頼もしい。

　ピンチを迎えても、援護点がなくても、淡々とした表情で辛抱強く一球を投じる。決して逃げない。フォアボールで自滅することもない。その姿は今年、新加入した選手とは思えないほどライオンズファンに信頼され、心をつかんでいる。

　榎田も充実した表情で笑う。

「移籍してまだ4カ月なんですけど『本当に僕、移籍してきたのかな？』って思うくらい慣れ過ぎていますよね」

　打ち解けやすい環境を作ってくれていると、周囲の選手への感謝を口にした。

「意識するのは変化球に逃げないこと」

　とはいえ、ここまでは順調に勝ち星を重ねているものの、対戦が増えれば増えるほど、相手の分析も細やかになる。徐々に対応策も練られるだろう。

「もちろん、移籍してきたばかりの頃に比べると、ボールの軌道もわかってきていると思うし、『際どいコースは反応しなくなってきているかな』というのはありますけど、今のところ、そこまで『このコースを意識しているな』とか、対策されている印象はありません。自分の調子の良し悪しが、ある程度、結果に表れているかな、と」

　シーズン序盤よりはコンディションは厳しいと話すが、心掛けていることもある。

「まず一番、意識しているのは変化球に逃げないことですね。辻さん（発彦監督）にも言われているんですけど、真っ直ぐがあってこその変化球ですから。真っ直ぐのラインがしっかり確立して、そこから逃げる、避けていく変化球が生きる。真っ直ぐは大事にしていきたいとずっと思っています」

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