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<独占対談> デル・ピエロ×ピルロ
「アズーリのレジェンドが語る、勝者のメンタリティー」 

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byAsami Enomoto

posted2018/07/31 11:15

<独占対談> デル・ピエロ×ピルロ「アズーリのレジェンドが語る、勝者のメンタリティー」<Number Web> photograph by Asami Enomoto

“サッカーを噛む”という文化。

デル・ピエロ「イタリアには“サッカーを噛む”という表現があるよね。ガムを噛むのと同じでそれぐらいサッカーが身近にあって、いつもサッカーのことだけを考えている。サッカーが好きでたまらないから、たとえ良くない時期があっても全然、苦にはならない。イタリアにとってサッカーは文化だから」

ピルロ「こういった物の考え方は、小さいころから自然と身についてきたもの。周りの人よりもうまくなりたいと野心を持つことによって、(強いメンタリティーが)備わったと感じているよ」

身の回りに起こるすべてをポジティブに。

 彼らは多くのタイトルを手にしてきた。デル・ピエロは6度のスクデット獲得、1995-1996年にはUEFA CLを制している。一方のピルロも同じく6度スクデットを手にして、UEFA CLを2度制覇。そして2人はイタリア代表として2006年、ドイツW杯で世界一に輝いている。勝者のメンタリティーを、いかにして磨いてきたのか。

ピルロ「簡単に言えば、身の回りに起こるすべてのことをポジティブに向けていく。その一言に尽きると思うんだけど」

デル・ピエロ「アンドレアの言葉に何か付け足すとしたら、ほんのわずかなディテールが勝負を分ける差になるということ。日々のトレーニング、物の考え方、そのすべて」

ピルロ「同感だね。準備というのは週末の試合に合わせてトレーニングすることだけじゃない。たとえば何を食べるか、何を飲むか。自分の行動の一つひとつに、こだわらなければならない」

デル・ピエロ「睡眠にしてもそう。質の高い睡眠でなければ、トレーニングや試合に影響が出てくるから。でもそれもアンドレアが言うところの野心が、ポジティブに向けてくれる。自分より優れている選手を研究して、その人の上を行くためにはやらなければならないことだから。自分を成長させてくれるアドバイスをくれる人を見つけておくことも大切かなと個人的には思うね。僕は、トレーニングにしても既存のものばかりでなく、新しい方法にトライしていこうとやってきたつもり」

ピルロ「そのうえで日々のトレーニングは凄く重要。個人としてチームとして、どういったプレーを実現させたいのかを考えつつ、全力でやらなければならない。トレーニングというものはあくまで通過点。きちんと練習しておけば、試合で実現できる可能性が高まるという考え方を僕は持っている」

デル・ピエロ「僕の場合、試合になったら結局は本能で動く、本能でプレーする。でもそれは今までの試合の経験や、トレーニングの積み重ねによって、生まれてくるものだと思っている」

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