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トーレス鳥栖入団は最高の贈り物!
日本サッカーが学びたいFWの真髄。 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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photograph byAFLO

posted2018/07/20 10:30

トーレス鳥栖入団は最高の贈り物!日本サッカーが学びたいFWの真髄。<Number Web> photograph by AFLO

アトレティコからリバプール、チェルシー、ミラン。代表では110試合38得点の男はどんなパフォーマンスを見せるか。

FWの動きへの理解が深まれば。

 サガン鳥栖の日本人FWは、育成組織の選手たちは、ホームスタジアムへ足を運ぶ子どもたちは、トーレスから必死に学び取ろうとするだろう。サガン鳥栖に所属していない日本人FWも、トーレスのプレーを参考にするはずだ。

 ボールを受ける前に、何をしているのか。受けてからどうやってシュートへ持ち込むのか。攻撃から守備への切り替えを、どれぐらい意識しているのか。オン・ザ・ボールだけでなくオフ・ザ・ボールでのFWのプレーが、トーレスによって注目度を高めていくと思うのだ。

 トーレスをフィルターとして、FWの動きに対する理解が深まれば、鋭い動き出しに拍手が沸き起こるかもしれない。マッチアップするDFとの駆け引きが、歓声を誘うかもしれない。

マッチアップするDFにも好影響が。

 トーレスによって養われる観察眼は、日本人FWにも向けられていく。これまで見落とされがちだった動きが評価され、決定機を逃すことがよりシビアな反応を引き起こす、といった変化が生まれていきそうだ。

 これまでよりも正しい評価を受けられる一方で、厳しい眼を向けられるようにもなる。日本人FWにとっては、やりがいのある環境だろう。レベルアップにつながるはずだ。

 トーレスを学びの教材とするのは、日本人FWだけではない。公式戦で彼とマッチアップをすることで、日本人DFは世界最高峰のストライカーの真髄を知る。国際舞台で戦うための準備ができるのだ。

 日差しが強くても湿気を感じないヨーロッパの夏と異なり、日本の夏は暑さが肌にまとわりついてくる。しかも、今年は猛暑だ。トーレスには厳しい気候である。

 すぐには活躍できないかもしれない。期待されるほどの数字を、残せないかもしれない。

 それでも、トーレスのサガン鳥栖入りは、日本サッカー界全体が成長する一助となる。4年後のカタールW杯への第一歩を踏み出したJ1リーグに、最高のプレゼントが届いた。

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#フェルナンド・トーレス
#サガン鳥栖
#アンドレス・イニエスタ

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