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トーレス鳥栖入団は最高の贈り物!
日本サッカーが学びたいFWの真髄。
posted2018/07/20 10:30
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
AFLO
7月18日に再開されたJ1リーグに、ふたりのビッグネームがやってきた。ひとりはロシアW杯前にヴィッセル神戸入りを発表したアンドレス・イニエスタ、もうひとりはサガン鳥栖に入団したフェルナンド・トーレスである。ともに1984年生まれの元スペイン代表が、揃ってJリーグに参戦することになった。
ロシアW杯に出場していたこともあり、現時点での期待値はイニエスタのほうが高い印象だ。オーナー所有のプライベートジェットによる来日といった派手な演出も、メディアが大きく取り上げることにつながっている。
それでも、トーレスが日本へやってきたことには大きな、大きな価値がある。
イニエスタと同じMFのポジションには、優れた教材となる日本人選手がいる。中村俊輔がいる。遠藤保仁がいる。中村憲剛がいる。プレータイムこそ短いが、小野伸二や稲本潤一もいる。未来のJリーガーを夢見る子どもたちから憧れの視線を浴び、同じピッチに立つ選手が目を凝らす日本人MFが、Jリーグにはいるのだ。
J1のストライカーを見てみると。
それに対して、ストライカーはどうだろう。
J1リーグの得点ランキングでは、パトリック(サンフレッチェ広島)、ディエゴ・オリヴェイラ(FC東京)、ウーゴ・ヴィエイラ(横浜F・マリノス)、ファン・ウィジョ(ガンバ大阪)、ジョー(名古屋グランパス)といった外国人FWが上位に名を連ねる。
彼らの実力を疑問視するつもりはない。そんなことをしたら、Jリーグのレベルそのものを否定することになってしまう。
ただ、イニエスタのような分かりやすさが、彼らにはない。「W杯で優勝した」とか「バルセロナでメッシと一緒にプレーしてきた」といった実績の持ち主ではないだけに、子どもたちの憧れの対象になりにくいところがある。それならば、ヨーロッパでプレーする大迫勇也や岡崎慎司の映像を観ることが先行しそうだ。
そこで、トーレスである。