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平日は会社員、週末になると審判員。
元甲府DF御厨貴文が“プロ”に再挑戦。
text by
渡辺功Isao Watanabe
photograph byIsao Watanabe
posted2018/07/04 16:30
試合をさばかれるJリーガーから、さばく審判に。御厨貴文のサッカー人生は今も続く。
プロフェッショナルレフェリーは14人。
'18年4月現在、登録されている審判員数は全国でおよそ27万人。そのうちJFAの主催試合を担当できる1級審判員は218人。プロフェッショナルレフェリーとなると、主審・副審を合計しても14人しかいない。割合にして2万人にひとりの狭き門だ。審判の世界を知れば知るほど、無謀なことをしている気がしないでもないが、後進に続く道が切り拓けるのかどうか。自分の動向に懸かっていることも自覚している。
「サッカー選手になるときも、自分では死ぬほど努力しましたし、身体能力なら誰にも負けないつもりでいました。でもプロの世界って、みんな死ぬほど努力している人たちの集まりだったんです。自分なんかじゃ相手にならないくらい、とんでもない身体能力の持ち主もいました。
チームにいた5、6人のセンターバックの、5、6番目からスタートして、そこからの8年間でしたから。プロのレフェリーになるのは相当大変なことですけど、そこはゴールではなく、あくまでスタートラインなんですよね」
ひとりの選手が立ち位置を5m程度動かすだけで、ゲームの趨勢が大きく変わることがあるように。DFからレフェリーへ。御厨さんの“ポジション・チェンジ”が、これからのサッカー界に、多くの効果をもたらすことを期待している。