ぼくらのプロレス(再)入門BACK NUMBER
4度目の決戦は年間ベストバウト級。
中邑真輔vs.AJスタイルズのドラマは続く。
posted2018/06/20 17:00
text by
堀江ガンツGantz Horie
photograph by
(C)2018 WWE, Inc. All Rights Reserved.
現地時間6月17日、世界最大のプロレス団体WWEのPPVイベント「マネー・イン・ザ・バンク」(アメリカ・イリノイ州シカゴ、オールステート・アリーナ)で行われた、王者AJスタイルズvs.挑戦者中邑真輔のWWEタイトルマッチ。
10カウントのKOのみで決着がつく「ラストマン・スタンディング・マッチ」形式で行われたこの一戦は、年間ベストバウト級の名勝負となった。
かつて新日本プロレスでライバルでもあった2人のWWEでの闘いは、祭典「レッスルマニア34」(4月8日、アメリカ・ルイジアナ州ニューオリンズ、メルセデスベンツ・スーパードーム)という大舞台でまず実現。
ベビーフェイス同士の異例の頂上対決は、一進一退の攻防の末、最後は中邑のフィニッシュホールド、キンシャサ・ニーストライクをかわしたAJが、得意のスタイルズクラッシュを決めて勝利する。
しかし、中邑とAJにとってクライマックスになると思われた「レッスルマニア 34」での一戦は、プロローグにすぎなかった。
これまでの中邑は何か窮屈そうに見えた。
試合後、中邑はAJと抱き合って健闘を称え合い、ひざまずいてチャンピオンベルトを手渡すと、その隙を見てAJの股間に急所攻撃!
この卑劣な一撃が開始のゴングとなり、ヒールと化した中邑真輔とAJスタイルズの因縁の闘いは本格開戦したのだ。
中邑は2016年に、“日本から来たキング・オブ・ストロングスタイル”として鳴り物入りでWWEに参戦してきたが、それゆえにWWEのリングでありながら“新日本の中邑”的なプロレスを求められ、どこか窮屈に見えたことも確かだった。