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Jを背負うのは日本人だけじゃない!
W杯に出場する7人+イニエスタ。
posted2018/06/13 17:00
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph by
Getty Images
8人と7人。
ロシアW杯の最終メンバー入りを果たしたJリーグ所属選手の数だ。前者は日本代表の国内組で、東口順昭(ガンバ大阪)、中村航輔(柏レイソル)、槙野智章(浦和レッズ)、昌子源(鹿島アントラーズ)、遠藤航(浦和)、植田直通(鹿島)、山口蛍(セレッソ大阪)、大島僚太(川崎フロンターレ)。後者は外国籍選手の数である。
日本人として、我が国の代表チームも気になるが(色々と腑に落ちないことが多いけれども、選手たちの健闘だけは祈る)、普段から間近で観ることのできる外国籍選手たちの活躍にも期待する。開幕を直前に控えた今、世界最大の檜舞台に立ちうる助っ人Jリーガーに、あらためて注目したい。
韓国の中盤を仕切るチョン・ウヨン。
おそらくお察しの通り、最多の5人は韓国代表にいる。そのなかで唯一、複数の選手を送り出すのはヴィッセル神戸だ。クラブで主にCBとしてプレーするチョン・ウヨンは、代表では中盤センターの熾烈なポジション争いを制して、主将キ・ソンヨンのサポートを務める模様。
京都サンガでプロデビューし、25歳で代表初キャップを刻んだ守備のマルチロールは、今予選では8試合の出場(1試合は終盤に途中出場)。その後の親善試合でも存在感を高め、昨年のE-1選手権での働きにより、守備的MFの一角を手中に収めた。
忘れもしない2017年12月16日の味の素スタジアム。日本がホームで永遠の宿敵に1-4と歴史的な大敗を喫した試合で、ひときわ輝いていたのが中盤の底で試合をコントロールしていた相手の16番だ。28歳になったばかりのチョンは強烈なブレ球のFKを直接決めただけでなく、それ以外にも惜しいミドルを何度か放ち、強くて正確なパスで試合をつくっていた。
当時、卑屈なほどに長いキックばかりを蹴り続けマイボールを易々と敵に献上していた日本と比べ、韓国が少し眩しく見えたのは、中盤でボランチがきちんと本来の仕事をしていたからでもある。チョンはその後の親善試合にも全試合に出場しており、ロシアでもレギュラーを務める見込みだ。