球体とリズムBACK NUMBER
Jを背負うのは日本人だけじゃない!
W杯に出場する7人+イニエスタ。
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph byGetty Images
posted2018/06/13 17:00
親善試合でハメス・ロドリゲス(右)とマッチアップしたデゲネク。マリノスだけでなくオーストラリア代表でも主力だ。
キム・スンギュ、チャン・ヒョンスらも。
神戸の守護神であるキム・スンギュも、先発を任されそうだ。近年、日本のトップリーグでは多くの韓国人GKが活躍しているが、そうした面々を抑えて代表でファーストチョイスを担っているのがこの27歳だ。
前回大会の最終戦で代表の公式戦にデビューすると、以降はキム・ジンヒョン(C大阪。今大会の最終メンバーにも)やチョン・ソンリョン(川崎)、クォン・スンテ(鹿島)らと激しく定位置を争いながら成長。シン・テヨン監督の就任を機に、ポジションをつかんだ。優れた反射神経と大舞台に動じない精神力を備える27歳は、昨年暮れのE-1選手権を負傷で回避したが、今年の代表戦では9試合中6試合に出場している。
負傷者や不調者の続出する最終ラインを統率するのはFC東京のチャン・ヒョンスで、サガン鳥栖のCBチャン・スンヒョンはそのバックアップとして抜擢された。
オーストラリアはデゲネク&ナバウト。
オーストラリアの守備陣にもJリーガーがひとりいる。そう、横浜F・マリノスのミロシュ・デゲネクだ。
セルビア人の両親のもとクロアチアで生まれた彼は幼少期に凄惨な戦争を体験し、「希望のない世界から僕ら家族に手を差し伸べ、夢を持ってもいいと教えてくれたオーストラリア」に愛国心以上のものを持っている。陸上競技のエリート選手だった父を持つこの24歳は、「サッカールーズの一員としてW杯で懸命にプレーすることが、オーストラリアへの最高の恩返し」と地元メディアに語った。心身ともにタフなCBが厳しいグループに臨むチームを支える。
レバノン人の著名なボディビルダーの父の血を受け継ぐ浦和のFWアンドリュー・ナバウトは、やや迫力に欠ける前線の起爆剤として、まだ4キャップながらベルト・ファンマルバイク新監督の構想に入った。