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イングランドの問題児スターリング。
厚顔の10番がタトゥーに込めた想い。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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photograph byGetty Images

posted2018/06/10 11:30

イングランドの問題児スターリング。厚顔の10番がタトゥーに込めた想い。<Number Web> photograph by Getty Images

マンチェスター・シティではグアルディオラ監督のもとで急成長したスターリング。騒ぐ周囲を実力で黙らせられるか。

今季リーグ戦では18ゴール11アシスト。

 今大会、イングランド最大のキーマンを挙げるとすれば、エースで主将も兼ねる背番号9、ハリー・ケインになる。しかし、トップ下でコンビを組むスターリングもキーマンの1人だ。特に相手が守りを固めてきた場合には、独力での状況打開が可能なチーム随一のドリブラーとなる。

 快足に加え、起こし気味の上半身の脇に両肘をつけるような独特の走り方は、勝負を挑まれる相手DFにすれば、どちらから抜きに来るのか読み難いのかもしれない。しかも、左右どちらにも進路を見出せる中央でボールを持つ機会が多いため、余計に厄介な存在なのだろう。

 先のナイジェリア戦でも、相手を圧倒した前半に最も働いていたのがスターリングだった。ケインのチーム2点目をアシストする一方で、自らも度々ゴールに迫っている。絶好機に代表通算3点目を狙ったシュートは、1本目がファーポストの外へ、2本目もバーの上を超えた。いずれも左足だった。

 本人が「左足でも撃つ」意味のタトゥーを入れるレベルまで精度が上がれば――。そのデザインが世間の顰蹙を買う類であったとしても、文句はないだろう。今季のプレミアリーグでは得点ランク5位の18ゴールを奪い、11アシストも記録してマンチェスター・シティの独走優勝に貢献しているのだ。

PK欲しさのダイブについて叩かれたが。

 ナイジェリア戦の後半にイエローをもらったPK欲しさのダイブ(シミュレーション)は、一部メディアで「マシンガンのタトゥーよりも醜い」と叩かれた。だが実際は微かな接触があった。これがW杯本番のピッチ上なら「ペテン」ではなく「狡猾な行為」として、肯定的に報じる声も増えると思われる。

 ロシア入り前の最終テストマッチとなった7日のコスタリカ戦(2-0)は、縦関係の2トップを組むケインとともにベンチで90分間を終えた。オプションの確認に主眼を置いたサウスゲイトは、3-1-4-2システムの最前線にジェイミー・バーディーとマーカス・ラッシュフォードを起用し、ラッシュフォードのの23m弾でイングランドが先制。後半には途中出場のFWダニー・ウェルベックがダイビングヘッドで追加点を奪った。

【次ページ】 「ベスト8じゃダメ。出るからには優勝」

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