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松田宣浩、4年ぶり先発落ちに発奮!
「ケンケン打法」が半足前で復活。
posted2018/06/06 10:30
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph by
Kyodo News
それはキャンプ中のこと。ソフトバンクの練習を眺めていた、ある用具メーカーの担当者が驚きの声を上げた。
「色々な球団を見て回りますが、ホークスのシートノックだけは決定的に違います。大抵の場合は伸び盛りの若手が先頭でボールを捕り、主力やベテランクラスになると背後にデンと構えて野次を飛ばしたりハッパをかけたりしているものです。だけど、ホークスの場合は主力が率先して最初にボールを受けています」
数日後、松田宣浩にこの言葉を投げかけると、さも当然といったように早口で切り返してきた。
「無意識ですよ。自分のポジション守ろうとやってるし、譲る必要はない」
連続先発が508試合でストップ。
ホークスの三塁は、松田が守ることが当たり前になっていた。本人はそれを強く自覚し、もちろん結果を出して示してきた。2015年に35本塁打を放つなど強打の印象が強いが、実は'13年から昨季まで5年連続ゴールデングラブ賞('11年も含めて計6度)を獲得している名手でもある。
しかし、その松田が6月1日のベイスターズ戦(ヤフオクドーム)で先発を外れた。'14年8月26日のファイターズ戦から続けていた連続先発出場がついに「508試合」でストップしたのだった。
打撃不振が続き、ついに首脳陣が決断を下した。この日を迎えるまで49試合を戦い10本塁打と29打点はまずまずの成績も、打率は2割ジャストと低迷が続いていた。パ・リーグ打撃成績では下から2番目に名前があった。
また、スタメン落ちの予兆は守備にもあった。