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菊池涼介、進化は守備だけじゃない。
「トリプルスリーやるなら、キク」

posted2018/05/27 08:00

 
菊池涼介、進化は守備だけじゃない。「トリプルスリーやるなら、キク」<Number Web> photograph by Kyodo News

人間離れした身体能力の守備は健在。今季の菊池涼介は打撃でもその能力をいかんなく発揮している。

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前原淳

前原淳Jun Maehara

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Kyodo News

「ふぅ~」

 試合を終えて一段落すると、広島・菊池涼介は勝利の安堵のように深い息をつく。

 菊池は勝敗によって喜怒哀楽を表に出さない。チームの結果だけでなく、個人としての結果にも、一喜一憂しない。チームをけん引する立場であることを自覚しているからこそ、自身の感情は胸にしまったまま。

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「怒りを言葉にしたり爆発させて、打てたり勝てたりするのであれば僕もやりますよ。でもそうやって打てるわけじゃないし、チームが勝てるわけでもない」。頭にあるのは「チームがどのようにすれば勝つのか」

 静かな表情、態度が強い責任感の表れだ。

丸や新井が離脱もチームトップの成績。

 チームはここまでセ・リーグのペナントレースで首位を走っている。ただ、安定した戦いを続けられているわけではない。主力選手の離脱が大きな要因にある。

 開幕直前に新井貴浩が離脱。4月28日にはダイビングキャッチした際に右太もも裏を痛めた丸佳浩がチームを離れた。精神的支柱とともに打線を引っ張ってきた主軸の不在は、そのまま菊池の両肩に乗ったように感じる。

 新井が一軍に復帰した5月11日の阪神戦は14-1で大勝した。重荷を少しベテランに渡すことができたのか、菊池も2本塁打4打点。翌日には「(新井がベンチにいると)やっぱり違う。新井さんにはあと10年はやってもらわないとね」と頬を緩めた。

 昨季はシーズン前にWBCを戦い「自分の体じゃない」という感覚の中で戦った。今季はペースを崩さずに調整してきたものの、シーズン序盤は外的要因による影響を受けてきた。

 それでも、プレー面では攻守に渡り大きな原動力となり続けている。ここまで全試合で「2番・二塁」でスタメン出場。つなぎ役をまっとうしながら、打率、安打、打点でチームトップの成績を残す。

【次ページ】 攻撃的な守備でも失策はしない。

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