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ダービーで激突する2頭の無敗馬。
ブラストワンピースに混戦適性が。
posted2018/05/26 07:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
2015年に生まれたサラブレッド6955頭の頂点を決める第85回日本ダービー(5月27日、東京芝2400m、3歳GI)が、まもなくスタートのときを迎える。
昨年同様、大混戦の戦国ダービーで、勝つチャンスのある馬が何頭もいる。
混戦になった一番の要因は、無敗で弥生賞を完勝した2歳王者ダノンプレミアム(牡、父ディープインパクト、栗東・中内田充正厩舎)が、ザ石のため皐月賞を回避したことだ。
不動の主役が戦列を離れたことで、牡馬クラシック戦線は一気に混沌としはじめたわけだが、そのダノンプレミアムがまた戻ってきたことで、余計に難しくなった。
実力は誰もが知るところだ。が、アクシデントがあっての休み明けはやはり不利だ。それでも、調教技術が進歩したことで、ひとレースをスキップしたマイナスを克服することは十分可能になっている。
幸い軽症だったため、4月末から栗東トレセンの周回コースと坂路を併用して時計を出すなど、しっかり乗り込まれてきた。
最終追い切りで見せた終いの脚の伸びやかさは、この馬本来のものだ。
さらに、2008年ディープスカイ、'09年ロジユニヴァース、'10年エイシンフラッシュと3連勝するなど、過去10年で最多のダービー4勝を挙げている1枠1番を引いた。すっと前につける脚質からも「絶好枠」と言えよう。
2005年の父ディープインパクト以来、史上11頭目の無敗のダービー馬誕生の可能性が大きくなってきた。
もう1頭の無敗馬。
もう1頭、史上11頭目の無敗のダービー馬になり得る馬がいる。新馬、ゆりかもめ賞、毎日杯と3連勝してここに来たブラストワンピース(牡、父ハービンジャー、美浦・大竹正博厩舎)である。
毎日杯からぶっつけでダービーというのは当初の予定どおり。キャリア4戦目というのはいかにも少ないが、1996年のフサイチコンコルドは3戦目で勝っている。