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メドベデワと羽生結弦が同門へ。
「最強チーム」で北京五輪に挑む。
posted2018/05/09 17:00
text by
野口美惠Yoshie Noguchi
photograph by
Asami Enomoto/JMPA
これまで想像もつかなかったスペシャルチームが誕生することになった。
平昌オリンピックの銀メダリストであるエフゲニア・メドベデワ(18)が5月7日、練習拠点をカナダ・トロントのクリケットクラブに移し、羽生結弦のコーチであるブライアン・オーサーの指導を受けることを発表した。
4年後の北京オリンピックの金メダルを目指すという。羽生とメドベデワが同門になることで、チーム・ブライアンは男女の世界記録保持者を擁する最強軍団として、北京オリンピックに向けての4年も勢いを増していきそうだ。
メドベデワは昨年秋、右足の中足骨にひびが入るケガを負い、12月のグランプリファイナル、ロシア選手権を欠場した。2015年12月のグランプリファイナル以降13戦連続で無敗だったメドベデワだが、復帰した'18年1月の欧州選手権では、急成長してきた同門のアリーナ・ザギトワ(15)に敗れ、2位に。そして平昌オリンピックでは、ザギトワに総合1.31点差で及ばず、銀メダルとなった。
平昌では「すべてを出し切った」。
実際には、平昌オリンピックのフリーは、映画『アンナ・カレーニナ』の世界観を見事に表現する熱演で、すべてのジャンプをパーフェクトに降りた。演技を終えた直後は感極まって嗚咽し、「すべてを出し切って、これ以上の演技はできなかった。すべてのトレーニングが報われたと思いました」と話したほどだ。
フリーは、奇遇にもザギトワと同点となる156.65点。その内容は、技術点でザギトワが勝り、演技構成点はメドベデワが1位だった。
キス&クライで得点を一緒に見守ったコーチのエテリ・トゥトベリーゼは、姉弟子であるメドベデワが敗れた結果に、一瞬呆然。メドベデワの肩を何度もなでて、ねぎらいの言葉をかけていた。
また、振付師でコーチのダニエル・グレイヘンガウスも「2人に金メダルを贈りたい」と自身のSNSでコメントするなど、メドベデワに気遣う様子がうかがえた。