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SONYを辞めて最強オランダで勝負。
ホッケー及川栞、プロ転向の野心。 

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中田徹

中田徹Toru Nakata

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photograph byGetty Images

posted2018/05/06 07:00

SONYを辞めて最強オランダで勝負。ホッケー及川栞、プロ転向の野心。<Number Web> photograph by Getty Images

大企業を辞してでも競技に打ち込みたい。及川栞の強い想いは、女子ホッケー界を引っ張る原動力となるか。

世界一の国でどれだけ出来るのか。

 2020年に向けて意欲を見せる及川だが、2016年にはリオ・オリンピック出場という夢を叶えられなかった。

「もっと競技力を伸ばしたい」。そして「世界一のホッケーの国で、自分がどこまで出来るのか試してみたい」。

 その思いでオランダへやってきた。

「やっぱり年齢的(当時27歳)にも日本国内に目指すDFがいなくって、新しい発見がなくなった。でも、オランダに来たら新しい発見がたくさん出てきて、チームメートからの刺激もあった。オランダに来て1年目は東京オリンピックのことは全然頭の中になく、『ホッケーをエンジョイしたい』という気持ちでプレーしてました」

 そこで学んだのは、ポジティブなメンタルでプレーすることだった。

「ミスしても、次に良いプレーをすると、オランダでは『ナイスプレー』『グッド・ディフェンス』『グッド・ポジション』って褒めてくれる。ミスして落ち込んでいたら、こっちの速いFWにやられまくってしまうから、気持ちの切り替えが大事。また、ホッケーはボールスピードが速く、オフサイドも無いからゲーム展開がすぐに変わるスポーツです。

 だから、ミスしても次に自分が良いポジションを取り、良いパスを出す方がプラスですよね。そういうマインドセットをオランダで学んだ。これは日本ではなかったアプローチ。オランダに来て、ますますホッケーが好きになっています」

オランダ代表からの冗談半分の声に……。

 オランイェ・ロートのオランダ代表選手たちからは「東京オリンピックでオランダと日本が試合できるといいね」と檜舞台での対戦を心待ちにする声を聞いた。

「彼女たちは、きっと半分冗談で言った言葉なんでしょうけれど、私の闘志を燃やしてくれました。彼女たちはFWとMFなんですよ。だから練習でも『絶対に抜かれたくない』と燃えますね! 1年目は言葉が出来なかったけれど、今はホッケーのことについてとか、すごく芯のところまで話せるようになりました。そういうところからも刺激を受けてます。今は東京オリンピックに向けてギラギラしています(笑)」

 オランダでプレーして感じるのは、ここでは新たなスキルが生まれているということ。すでにオランダでは主流になった個人技を、及川が日本で披露すると「おお!」と驚かれたという。

【次ページ】 自分がパイオニアだ、みたいな(笑)。

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