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コンテとチェルシーの最終バトル。
CL逃せば“降格並み”という重圧。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2018/04/28 11:30

コンテとチェルシーの最終バトル。CL逃せば“降格並み”という重圧。<Number Web> photograph by Getty Images

終盤戦も闘志満々の表情を見せるコンテ監督。その思いにチェルシーの選手たちは応えられるか。

モラタ、ウィリアンらも険悪ムード。

 こうしたノイズは、コンテが闘志を取り戻した現在も消えていない。バーンリー戦では、交代を告げられたアルバロ・モラタがベンチで不満を露にして、セスク・ファブレガスになだめられている。

 その3日後、サウサンプトンを下したFAカップ準決勝(2-0)の後半には、怪我による交代ではなかったはずのウィリアンがベンチを素通りしてトンネルへ消えていった。モラタは後日、仕事ができなかった自分自身への怒りだったと説明しているが、建設的な怒りだけとは思えない険悪ムードである。

 退任の日を指折り数えていたような監督と、不満が高まる選手たち。両者のベクトルがネガティブな方向に突き進めば、「しょせんEL出場権止まり」の思いで消化試合が増える恐れがあった。

 しかし、ラスト1カ月で再び勝利を目指すようになった背景には、CL出場権獲得への微かな希望と、それを逃すことへの大きな不安がある。

 サウサンプトンに逆転勝ちした第34節、トッテナムがシティに敗れたことで両者の勝点差は7ポイントに。トッテナムは次節のブライトン戦でも2ポイントを落とし、その差は5ポイントまで縮まった。

コンテとしてはトップ4陥落で去れない。

 今季唯一の獲得タイトルチャンスのFAカップでは、決勝進出を決めたウェンブリー・スタジアムのミックスゾーンで明るい兆しが見えた。アザールからベテランCBギャリー・ケーヒルまで、選手たちは口々に「リーグ戦の残り試合への注力」を唱えていた。

 アザールにはレアル・マドリーなどへの移籍の噂が絶えないが、家族も気に入っているロンドン生活を続けたがっているという説もある。しかし、来季からCLのない選手生活が続きかねないとなれば話は別だろう。今夏で30歳のウィリアン、すでに30代のセスクも身の振り方を思案するはずだ。

 そして今さらながら、コンテをトップ4フィニッシュへと駆り立てるのはプライドだろう。オーナー以下経営陣に「失敗」とみなされるトップ4漏れでクラブを去るような結末は、意地でも避けたいところだろう。

【次ページ】 4位にふさわしいのはトッテナムだが。

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