話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
名古屋ブラジル3人衆が語る問題点。
「守備はもうちょっとシンプルに」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJ.LEAGUE
posted2018/05/02 08:00
風間八宏監督は、Jで最もスタイルにこだわりのある監督の1人だ。目の前の結果と長期計画、そのバランスが今問われている。
ブラジル人にマークが集中するが……。
正直、セットプレー以外で点が入る気配がなかった。
「セットプレーは我々のストロングポイントであり、そこでしっかりと点が取れていることは自分たちが成長しているからだと思います。ただ、今日もそうですがチャンスをたくさん作れているけど、流れの中で点が取れない。それはラストパスの精度、決め切ることができていないからです」
ここまで全11試合11得点のうちジョーが4点、シャビエルが4点、ホーシャが3点と全得点をブラジル人選手が挙げている。チームとしては誰が決めたのかよりも勝利が優先されるが、日本人選手のゴールがゼロという状況ではさすがにいいわけがない。
ブラジル人しか点が取れていない状況では、相手がすべきことはハッキリしている。だが名古屋の選手たちは、ジョーにボールが入った後、なんとかしてくれるだろうとお任せ気味になっている。
ジョーは、厳しい表情で言う。
「監督は、僕にボールが入った時はみんなに近くでプレーしろって言っていますが、まだそれがうまくできていない。そのタイミングをうまくつかめればいい攻撃につなげることができると思う。そこは練習で修正していかないといけない」
ジョーの能力をシンプルに活かしては?
ジョーは今シーズン加入したばかりで、連動してプレーするには、もう少し時間が必要なことは間違いない。
とはいえ、シャビエルはすでにジョーをうまく使っている。同じブラジル人ゆえに意志疎通がしやすい部分もあるだろうが、ジョーは前線でキープができて、足元がうまく、クロスにも強い選手。連係を深めることは難しいとしても、彼の能力をよりシンプルに活かすことはできるはずだ。
たとえば地上戦に固執するのではなく、もっとサイドからクロスを入れてみたらどうか。ジョーはマークを外してクロスを待つタイプではなく、フィジカルの強さで対応する選手なので、簡単にクロスを入れても勝てるチャンスは十分にある。
求められているのは相手の裏をかくことで、地上戦の徹底ではなく、選手が状況を判断し、臨機応変に戦うということだ。