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日本がワールドグループ2部復帰!
3カ国代表・大坂なおみのスケール感。
posted2018/04/25 11:00
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph by
Getty Images
最寄り駅から徒歩40分という交通の便の悪いテニス施設……にもかかわらず、兵庫県三木市にあるブルボンビーンズドームに用意された2500席はほぼ満席となった。
日本が5年ぶりのワールドグループ2部復帰をかけた女子国別対抗戦のフェドカップ。2月のアジア/オセアニアグループを勝ち上がった日本は、ヨーロッパ/アフリカグループを突破してきたイギリスを迎えていた。
遡れば、伊達公子を擁して日本女子テニス史上最強メンバーだった日本が、ときの女王シュテフィ・グラフを擁するドイツを迎えた1996年のワールドグループ1回戦で、有明コロシアムに1万人のファンを集めたという歴史的なフェドカップがある。しかし過去4年間、強豪が集うワールドグループから日本が遠ざかっていたフェドカップに、国内の関心は薄れ、2500席とはいえ全て埋まった光景は新鮮だった。
この盛況を呼び込んだのは、インディアンウェルズで優勝して一躍有名人となった大坂なおみだ。10日前に大坂の代表入りが正式に発表されてからチケットの売り上げは一気に伸びたという。
大会そのものが「大坂なおみ」推し全開に!
会場に入るとすぐに、大坂の所属スポンサーである日清食品が作った『大坂なおみオリジナル・クリアファイル』が無料で配布され、チーム戦にもかかわらず、大坂推し全開だ。
「プレッシャーではない。大丈夫」と言う大坂だが、周囲の変化は肌で感じている。関西入りする前に東京で数日間を過ごしたのだが、大好きだった東京の町も以前とは見える風景が変わった。
「みんなが見るから、顔を上げて歩けない」
ちょっとやそっとの変装では「大坂なおみ」であることを隠しきれない。日本の窮屈さを初めて覚えたのではないだろうか。