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日本がワールドグループ2部復帰!
3カ国代表・大坂なおみのスケール感。
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph byGetty Images
posted2018/04/25 11:00
他の女子選手と比べるとその高身長ぶりが分かる大坂なおみ。日本で女子テニスブームが巻き起こるか?
父親らが作ったハイチの幼稚園を訪問。
昨年秋、大坂は両親とともにハイチを訪れている。
父親のレオナルドさんは大阪に住んでいたときに、日本人とともにボランティア・グループを立ち上げ、ハイチに幼稚園を建設したのだという。遊具や楽器なども持ち寄り、現地へ送った。そのグループはもう日本にないが、幼稚園は残っている。
大坂はその幼稚園を訪問し、子供たちと触れ合い、テニスクラブではジュニア選手とテニスもした。そのようすを当時SNSに投稿し、ハイチのメディアでも報道されている。
ちなみに、ハイチ系アメリカ人のプレーヤーはいるが、ハイチには現在男女ともに世界ランカーはおらず、フェドカップにもデビスカップにも参加していない。大坂は日本でもアメリカでも人気者だが、ハイチではまさに星だ。
そのルーツといい、それ以前からの両親の行動といい、私たち多くの「日本人」とはスケール感が違う。
今大会の結果なら、大坂も笑えたはず。
個人のプロスポーツであるテニスにおいて、代表戦というものは本人の向き合い方と周囲の要求が乖離していくことがある。その中でエースの責任を満たすことは大変な作業だ。大坂の生い立ちや今の立ち位置を考えればなおさらだろう。
そんな中、1勝1敗に終わった大坂。しかし日本は、奈良くるみ、加藤未唯、二宮真琴という他のメンバーも奮起し、3-2で勝った。自身が全勝した昨年のフェド杯のあと「チームが負けたら意味がない。いっぱい泣いた」と言っていた大坂だが、それなら今回は笑って終えることができたはずだ。
日本でたくさんの仕事をこなし、ここからは全仏オープンを最高峰とするヨーロッパのクレーコート・サーキットへ。
そのスケール感をさらに膨らませるクレーシーズンに期待したい。