ROAD TO THE DERBY 2018BACK NUMBER
皐月賞で好走のジェネラーレウーノ。
驚異の粘りを生む圧倒的ポテンシャル。
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph byKeiji Ishikawa
posted2018/04/25 07:30
上位人気馬が総崩れになった皐月賞では、8番人気の3着。ダービーが世代内での本当の格付けになる気配だ。
厳しい展開だが「よくあんなに粘れた」。
「『今回もスタートは出ると思う』と鞍上の田辺(裕信)君とも事前に話しました。その上で逃げたい馬をみながら離れた位置で追走できれば、と思ったのですが、蓋を開けてみれば引くに引けない形になってしまいました」
内の悪いコースを走らされ、しかも4番手以下を離す形になったため「2コーナー過ぎでは今日は終わったと思った」と矢野は言う。
しかし、彼が目をつけたスクリーンヒーローの仔は、彼が思っている以上に根性があったのか、ポテンシャルが高かったのか、粘りに粘る。前へ行った他の2頭がそれぞれ8、15着と失速する中、なんと馬券圏内である3着に粘ってみせたのだ。
「よくあんなに粘れたと感心しました。さすがにあれだけの厳しい競馬をしたので、息が入るのも時間を要したし、厩舎に戻してからも多少疲れがありました。それでも4日後の木曜からは角馬場で乗れるまでに回復をみせたので、もう心配はありません」
皐月賞よりもダービーの方が合う。
4月21日にはノーザンファーム天栄に放牧に出したが、早目に帰厩させてダービーを目指すと言う。
「スタミナもパワーもあるので、距離が延びるのはかえって良いと、最初から思っていました」
“だからダービーは皐月賞よりも期待できる”という気持ちが行間から見え隠れする。
さて、最後に矢野にとって“日本ダービー”は果たしてどのような存在なのかを聞いた。
「全てのホースマンにとって憧れのレースだと思います。父も勝てなかったレースなので、是非、勝ちたいと言う気持ちを持っています」
父の矢野照正は天皇賞馬プレクラスニーなどを育てた元調教師であり、元騎手。つまり、幼い頃から馬の世界で育ってきた英一にとってダービーは、正式にこの世界に身を置く前から「勝ちたい」と願っていた憧れのレースだったわけだ。一目惚れしたジェネラーレウーノがその願いをかなえてくれるのか。注目したい。