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中邑真輔“第三形態”で王座再挑戦。
長州、蝶野、内藤と同じヒール転向。
text by
堀江ガンツGantz Horie
photograph by(C)2018 WWE, Inc. All Rights Reserved.
posted2018/04/24 17:30
レッスルマニアでのまさかの急所攻撃。王座獲得ならずも、中邑真輔の残したインパクトはドデカい。
蝶野はnWoでスタイリッシュなヒールに。
長州の次にヒール転向で成功した例としては、やはり蝶野正洋が挙げられる。
蝶野は'94年の「G1クライマックス」優勝後、「武闘派宣言」することによってヒールに転向する。
突如、誰かを裏切るようなシーンこそなかったものの、G1優勝戦というもっとも注目される舞台でヒール転向を宣言するという方法が新しかった。
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そこから蝶野は、黒を基調としたコスチュームに一新し、本音混じりの毒舌を吐く、スタイリッシュなヒール像を確立する。その後、アメリカでハルク・ホーガンらが結成した'90年代最高のヒールユニットnWoとも連携し、nWoジャパンを結成。一大ムーブメントを起こし、ベビーフェイスの人気を超えるダークヒーロー集団となった。
内藤も中邑も新日でヒールとして人気に。
現在、新日本プロレスで絶大な人気を誇る、内藤哲也率いるロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンは、その系譜と言えるのだ。
そして、そもそも日本で中邑真輔がブレイクするきっかけもヒール転向だった。
メキシコ遠征を経て、'09年4月に矢野通らとヒールユニットCHAOSを結成すると、それまでの型にとらわれず、自分の生の感情を解放。中邑真輔だけの個性を身につけ、それが世界のシンスケ・ナカムラへとつながっていったのだ。
その意味では、今回のヒール転向も中邑にとっては、また新たな自分をさらけ出すための大きなきっかけになるのではないだろうか。
現地時間4月27日にサウジアラビアで行われる、WWEのPPVイベント「グレイテスト・ロイヤルランブル」では、早くもWWE王座を懸けたAJスタイルズとの再戦が決定。
ベルトの行方と同時に、“第三形態”へと進化したシンスケ・ナカムラの姿に注目だ。