才色健美な挑戦者たちBACK NUMBER
プロゴルファー・上田桃子を変えた13年の歳月。
text by
林田順子Junko Hayashida
photograph byTakuya Sugiyama
posted2018/05/02 11:00
“積極的に生きる”ことを大事に。
昨年、地元の熊本の試合で負けたときもそうです。震災後にも関わらず、たくさんの方が「元気もらったよ」って言ってくださったんです。負けて悲しいという気持ちはもちろんありましたが、結果以上にもっと頑張らなきゃいけないなという気持ちになりました。
今31歳になって、色々な経験をしましたが、自分が成長しているか、というとまだまだ自信はないですね。ただ“積極的に生きる”というのは今の自分が一番大事にしていることです。ダメでもいいから、まずはチャレンジすることが自分らしさだと思っています。ただ、年をとるとともに、チャレンジすることが怖くなってきている、というのは自分でも感じていて。だから意識してチャレンジし続けていきたいと思ってます。ただ、“続ける”って、簡単なことのようで難しいんですよね。だからこそ大事にしていかないと、と思っています。
先週よりは今週、今週よりは来週と。
チャレンジし続けるというのは、ゴルフだけじゃありません。実際、料理をしたいと思って、2年前から料理教室に通っています。ダンスもやりたくて、1回習いに行ったことがあったんです。ただ、死ぬほどセンスがなくて、キャディーさんに動画を見せたら「誰にも見せない方がいい」と言われました(笑)。ダンスはダメでしたけど、今後も聞くことを恥ずかしがらずに、やりたいと思ったらやるようにしたいです。
2020年の東京オリンピックは、やりたいという気持ちと見たいという気持ちが両方あって。これが来年だったら即答で「目指します」って言うんですが、難しいところです。オリンピックって、みんなを笑顔にしてくれる大会だと思うんです。勝っても負けても、みんながキラキラしていて。だからこそ中途半端な気持ちでやれるような大会ではない。じゃあ、オリンピックだけにすべてを注いで準備ができるかというと、まだイメージが湧かないんです。出たいとは思いますが、今の自分は出るに値するのだろうかという気持ちもあります。
それよりも、まずは今年のチャレンジ。先週よりは今週、今週よりは来週と、ひとつずつチャレンジをして、クリアしていく自分を皆さんにも見てもらえるとうれしいです。
上田 桃子Momoko Ueda
1986年6月15日、熊本県生まれ。9歳の時にゴルフを始め、19歳でプロに転向。2007年にツアー初優勝を飾ると、同年のミズノクラシックで全米女子ツアーも制覇。年間5勝を挙げ、史上最年少(21歳156日)の賞金女王に輝く。2008年から米ツアーに参戦するも、2014年から再び日本を主戦場に戻す。昨年の2勝を含め、ここまで日本ツアー13勝(2018年4月現在)。
毎回1名のゲストの「生き方」「人間性」にフォーカスし、そこにある「美しさ」をあぶり出すドキュメンタリー&インタビュー。ビジュアルだけではなく、精神的、健康的など様々な角度から“肉体に宿る美”を探る、BS朝日の新番組。スポーツ総合誌「Number」も企画協力。
MC:浅尾美和
第1回:上田桃子(ゴルフ)
5月4日(金) 22:00~22:24
2014年の日本ツアー復帰以降、上田桃子選手は月に2回、料理教室に通っています。料理は唯一、ゴルフのことを忘れさせてくれる時間だそうです。番組では自然と笑顔が弾ける料理シーンと、ゴルフウェア選びにも密着。料理やウェアコーディネイトへのこだわりなどを通して、彼女自身の“色”にも迫ります。
第2回:平野早矢香(卓球)
5月11日(金) 22:00~22:24
シングルスで計5度の日本一に輝き、2012年のロンドン五輪では団体で銀メダルを獲得。ストイックな姿勢から、2016年に引退するまで“卓球の鬼”と呼ばれていた平野早矢香さん。今の彼女に迫ると、現役時代のイメージとは対照的な表情に驚かされます。これから進もうとしている新たな道。都会の雑踏の中、向かった先は?