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西武に現れた俊足強打のルーキー。
清宮と同い年の18歳、西川愛也。
posted2018/04/19 10:30
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph by
SEIBU Lions
4月10日、イースタンリーグ、埼玉西武ライオンズ対北海道日本ハムファイターズの試合がメットライフドームで開催された。
開門前からファンがゲートに長蛇の列を作り、二軍戦とは思えないほど多くのカメラがベンチ前に並ぶ。カメラのレンズが向く先にはこの日、実戦復帰を迎えた清宮幸太郎の姿があった。
超大物ルーキーの動向に、メディアも野球ファンも熱い視線を注いでいた。
ただし、ライオンズにも注目のルーキーがいる。西川愛也(まなや)、内野手。清宮と同い年の18歳だ。
西川は今シーズン、花咲徳栄高校からドラフト2位で入団した。帽子のサイズが53センチという小さな顔に、長い手足。抽象的な表現になるが、打席に入ったときにピタリと絵になる、スター性を感じさせる選手だ。
高卒ルーキーながら、イースタンリーグ開幕5戦目からスターティングメンバーで起用され、リーグ2位となる3割7分7厘の打率を残している(4月17日現在)。高校時代に痛めた古傷の影響もあり、現在は指名打者での出場に留まってはいるが、優れたミート力に加えて、脚も速い。
『愛也』という名前の通り、ライオンズファンに愛される要素を十分に備えている選手だ。
普通のルーキーはまずバットを振れない。
高木浩之・二軍野手総合コーチ兼打撃コーチは語る。
「まだ50打席くらいなので結果では判断できませんが、ボールに対して手数が出るのはいいですね。普通は、なかなかバットを振れないもの。初めての対戦だし、ましてや初めてプロの投手に対するわけですから……。タイミングを合わせることが難しいし、合わないことのほうが多いのに、失敗を恐れずに振っていけるのは長所だと思います」
普通なら「まずはボールを見よう」という心理が働くと高木コーチは言う。
「バットを振っていこうと口で言うのは簡単。でもなかなか手が出ないものなんですよ、それをアジャストして、あれだけライナー性の打球が打てるのは高い能力があるからこそでしょう。本当の勝負はこれから。プロは変化球にキレもあるし、いろいろな投手との対戦が二回り目になったとき、どう対応していくのか。僕も楽しみにしています」(高木コーチ)