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人気作家・東野圭吾が作り出した
夢の祭典「スノーボードマスターズ」。 

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秋月透馬(文藝春秋)

秋月透馬(文藝春秋)Toma Akizuki

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photograph bySBM/Shigeki Yamamoto

posted2018/04/17 16:30

人気作家・東野圭吾が作り出した夢の祭典「スノーボードマスターズ」。<Number Web> photograph by SBM/Shigeki Yamamoto

ド派手なワンメイクが見所の「ストレートジャンプ」。滑っても飛んでも楽しい、スノボの魅力がたっぷり詰まった大会となった。

日本最高額となる優勝賞金200万。

 特筆すべきは、優勝賞金だ。

 東野氏によって、男子優勝200万円、女子優勝100万円という日本最高額の賞金が用意された。東野氏の心意気と、大会関係者の情熱を受けて、日本中からトップボーダーたちが名乗りを上げた。

 平昌五輪、スノーボードハーフパイプで7位となった片山來夢や、同五輪のスロープスタイルで12位、ビッグエアにも出場した広野あさみ、トリノ五輪でハーフパイプ代表となった成田童夢ら、オリンピアンも数多く出場した。

 競技スタートに際して、東野氏は選手たちにこう語りかけた。

「みなさん、スノーボードマスターズに、エントリーしてくれて有り難う。

 世界最高のスタッフたちが、素晴らしいコースを作ってくれています。それに感謝をしつつ、みなさんが“どんだけ上手いのか!”、かっこいい滑りを見せてください」

一歩間違えば、ボードが折れるほどの難コース!

 初日のバンクドスラロームの1本目は、ガスが立ち込めるコンディションの中で行われた。先の旗門が見えないため、バンクへの侵入速度や板のコントロールを誤ると、カービング時の圧力だけで、ボードを折ってしまう選手もいた。

 それでも、選手たちは果敢に攻めた。

 バンクドスラロームの2本目が始まるころには晴れ間が広がり、トップ選手たちはことごとくタイムを縮めてきた。

 最初は、コース上部のバンク付近で観戦していた東野氏。その後、フィニッシュライン近くの関係者用のテントから見ていたが、難コースに果敢に挑む選手たちの姿を間近で見ようと、コースサイドへ。

 MCを務めた上村知世と池下ジェシー孝志から「さきほどから、東野圭吾さんが、かぶりつきで見ています!」とアナウンスされると、ギャラリーから歓声が上がった。

 大会初日を終えて、東野氏はこう話す。

「バンクドスラロームの上位に入った選手たちは、スノーボードクロスの選手たちが多かったようです。2日目のフリーライディングで、彼らがどんなカービングを、どんなスタイルを見せてくれるか、想像ができないだけに楽しみでなりません」

【次ページ】 女子の部の優勝は、北海道から参加した佐賀優輝。

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