酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
大谷翔平はMLBで2番目に速い投手?
球種・投球回ごとに分析してみると。
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byAFLO
posted2018/04/24 07:00
またたく間に全米をフィーバーに巻き込んだ大谷翔平。二刀流に懐疑的だったコラムニストが公式謝罪するという珍事件も起こった。
大谷よりも速球が速いのは1人だけ。
大谷はいわゆる「ギアチェンジ」も見せている。イニングごとの速球の平均球速を見ると、これが鮮やかに浮かび上がってくる。
〇4月1日 アスレチックス戦
1回 158.38km 7球
2回 156.34km 11球
3回 159.08km 2球
4回 157.71km 11球
5回 154.81km 5球
6回 155.46km 4球
〇4月8日 アスレチックス戦
1回 153.60km 7球
2回 154.05km 8球
3回 154.68km 6球
4回 158.52km 3球
5回 158.68km 6球
6回 154.40km 5球
7回 155.67km 7球
大谷は打者の2巡目には速球の球速を3~4kmほどアップさせている。いわゆるギアチェンジだ。余力を残して155km前後の速球を投げることができ、そして気合を入れれば、さらに凄い球を投げることができる。これは凄い。
速球の平均球速は2試合で156.22km、96.6マイル。これはMLBのデータ分析サイトFanGraphsによれば、昨年、100イニング以上投げた先発投手では、ヤンキースのルイス・セベリーノの97.6マイルに次ぐ2位に相当する。日本人投手でこんな数字を出した投手は、過去には誰もいない。まさに破格だ。
大谷は打者として4月22日までに41打席に立っているが、自分と同じ160km超の速球を投げる先発投手とはまだ対戦していない。大谷のスケールは、MLBでも十分に大きいと言えるだろう。