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真のパートナーを見つけたホンダ。
トロロッソとの絆で掴んだ4位入賞。
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byGetty Images
posted2018/04/11 17:30
すべてが完璧に運んでの4位入賞。トロロッソのスタッフはガスリーを胴上げして歓喜を爆発させた。
日本文化のセミナーまで開いたトロロッソ。
トロロッソのテクニカルディレクター、ジェームス・キーもホンダとのコラボレーションを楽しみにしていた。
「私たちの2017年もホンダ同様、難しい1年だった。望むような終わり方ができなかったのかという点で、私たちには多くの共通点があった。結果として、ホンダとトロロッソのどちらもが、2018年をより実りあるシーズンにしたいという強い願いを持つことができた。共通のゴールや野望といったものが、私たちの間にいま強く根付き始めている」
トロロッソがいかにホンダを大切にしているのかは、彼らがイタリアのファクトリーで日本人を理解するためのセミナーを、講師を呼んで開いていたことでもわかる。
「日本とヨーロッパでは文化が違うので、考え方の違いで、仕事にズレが起きないようにしなければならない。そこで、われわれのファクトリーで働いている人たちに、日本の人たちがどういう風な考え方をしているかを学んでもらう必要があると思った」と語るのはトロロッソのチーム代表のフランツ・トストだ。
元ラルフ・シューマッハのマネージャー。
彼は'90年代にラルフ・シューマッハのマネージャーとして日本で過ごした経験があり、日本人にはヨーロッパと違うメンタリティがあることを知っていた。
「日本人を理解するうえで最も重要なことは、イエス・ノーをはっきりと言わないという習慣があること。
例えば、仕事でメールを送るとき、われわれはできないときはできないとはっきりと書くが、日本人に『できない』とはっきりと書くと傷つけてしまうことがある。
また、日本人から『できるかもしれません』とメールがきたら、だいたいできないということを理解しておいたほうがいい」(トスト)