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大谷翔平のあの偉業をどう伝える?
Number初“二刀流表紙”ができるまで。
text by
瀬尾泰信(Number編集部)Yasunobu Seo
photograph bySports Graphic Number
posted2018/04/12 11:30
打者編と投手編というNumber史上初の“二刀流表紙”。今後も、大谷翔平はきっと我々を驚愕させ続けてくれるはずだ!
“二刀流表紙”を実現させる奥の手を!
編集長松井にそのアイデアを話すと、松井は一心不乱に各所に内線電話をかけはじめた。
印刷会社、営業部、広告関連のセクション、そして資材制作部。この雑誌に関わるさまざまな部署との調整を終え、最終的には雑誌の原材料である紙の追加手配をお願いする。そして数時間後、資材制作部から「紙、手配できました!」と連絡が入った……。
今号の表紙のスタイルは、雑誌や本の業界では「片観音」と呼ばれている。表紙の紙を通常の倍近くの大きさにして(だから追加の紙が必要だったのだ)、表紙の裏側に折り込む形で収容する。すなわち……
1)通常の表紙部分
2)表紙部分の左側に位置する、折り込み部分の表
3)折り込み部分の裏
この3面で「二刀流表紙」を表現することになった。
つまり1)には、ホーム開幕戦でのホームランを放った打者大谷が、2)にはベンチで祝福を受けている大谷が、そして3)には、デビュー戦で力投する投手大谷が刷られている。そして、巻き折り部分を逆に折り返すと……3)が表紙の位置に来る、というわけだ。
今、実際に刷り上がった雑誌の表紙をパタパタといじりながら、改めて「先入観は可能を不可能にする」という言葉を思い浮かべている。
かくして、大谷翔平選手の二刀流での華々しいメジャーデビューに小誌として最大限の敬意を表して、Number史上初の「二刀流表紙」が誕生することとなった――。