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名門ミランのエゴを束ねるカリスマ。
闘犬ガットゥーゾの揺るぎない強さ。
text by
手嶋真彦Masahiko Tejima
photograph byGetty Images
posted2018/04/11 11:00
少しシルエットは丸くなったが、眼光と威圧感はむしろパワーを増している。ミラン悲願の復活はこの男が実現するかもしれない。
助監督リッチョとの兄弟のような絆。
イタリア南部の貧しい地域で生まれ育ち、何よりも家族を大切にしてきたガットゥーゾらしいのが、常にかたわらにいる参謀だ。シオン、パレルモ、クレタ、ピサ、そしてミランの育成部門(U-19)に続いて、現在のトップチームでもルイジ・リッチョに助監督を任せている。
セリエA通算368試合出場のガットゥーゾと、セリエB通算367試合出場のリッチョは、ともにスコットランドのグラスゴー・レンジャーズに所属した1997-1998シーズンを含めてトップチームでは共演の機会を作れないままだった。
それでもペルージャ・ユースの寄宿舎で出会った10代半ばから、ともに40歳となった今日まで友情は続いている。ふたりの信頼関係を、リッチョはこう表現する。
「揺るぎなく、もっとも強い、兄弟のような絆で結ばれている」
揺るぎなく、強い――。
多くのミラニスタが名門復活の夢をどんどん膨らませているのだとすれば、揺るぎなく強い“絆”とともに、揺るぎなく強い“人”が戻ってきたからだろう。