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フォトグラファー高須力が撮った激闘の瞬間

posted2018/04/13 10:00

 
フォトグラファー高須力が撮った激闘の瞬間<Number Web> photograph by Tsutomu Takasu

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高須力

高須力Tsutomu Takasu

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Tsutomu Takasu

アジアカップ東南アジア大会ベスト8(ハノイ ミーディン国立競技場)

日本 1-1 オーストラリア(PK戦4-3)

 雲ひとつない青空、肌を焼く強い日差し、スタジアムへと続く長い上り坂、決戦に向かう高揚感、そして、たった8分間の逆転劇。2006年6月12日、ワールドカップドイツ大会グループリーグ初戦、日本代表はオーストラリアに敗れた。このとき見た情景、感じた絶望感は今でも忘れられない。

 その翌年の夏、ベトナムのハノイ。不快指数MAXの蒸し暑さの中で戦うことになったアジアカップ準々決勝。相手はまたオーストラリアだった。正直に告白するならば、弱気の虫に蝕まれていた僕はこの試合が怖くて堪らなかった。

 後半24分、アロイージがゴール。「あぁ、やっぱりね」。そう沈んでいた3分後、高原直泰がゴール! 「うぉぉぉ!!」。思わず足元の広告看板を蹴飛ばしてごめんなさい。そのままなだれ込んだPK戦。川口能活のスーパーセーブ! しかも、2本連続!! 最後のキッカー中澤佑二が川口に向かって駆け寄ってきた。1年前に止まってしまった時計の針が動き始めた瞬間だ。この日ほど日本代表の選手たちを心強く思ったことはない。

川口能活
中澤佑二
高原直泰

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