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キックオフ直前にGL敗退が決定……。
川崎はACLから何かを持ち帰れたか。
posted2018/04/05 12:05
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph by
Getty Images
「オンリー2ポイント?」
記者席の近くに座っていた上海上港のサポーターは、川崎フロンターレが今季のACLで手にした勝ち点を聞き、即座にそう口にした。
ACL第5節4月4日、1-1での引き分けで終了した試合の川崎のプレーを見れば、その反応も理解できる。
3月13日の第4節でメルボルンに敗れたことで、グループリーグ突破の可能性が後退したこともあり、中村憲剛、小林悠、大島僚太は上海遠征にも帯同していない。先発したメンバーの多くが「サブ組」と言ってもいい構成だった。
にもかかわらず、特にボールを保持しながら、敵ゴールに迫った前半の内容は非常にポジティブなものだった。
後半はポゼッション率が落ちて68分に先制点を許したものの、74分に知念慶が同点弾を決め、巻き返した。勝利を飾ることはできなかったが、主力組がいないながらも、アウェイで引分けにおさめた。
監督「素晴らしいプレーをしてくれた」
「まず(グループリーグ)敗退が決まったなかで、プライドを持って、気持ちのこもった川崎らしいプレーをしようと送り出した。その通りのプレーをし、最後まで気持ちを切らさず、戦ってくれた。もちろん勝ちたかったが、アウェイで先制点を許す難しい試合を同点に持っていってくれた。選手たちは素晴らしいプレーをしてくれた」と試合後の会見で鬼木達監督が語っている。
メルボルン対蔚山の試合がドローで終われば、川崎のグループリーグ突破の可能性は残されていたが、時差の関係で、2時間早くキックオフした試合は、2-6と蔚山が圧勝をしたため、川崎の敗退は試合前には決まっていた。
「試合前に監督からは、特にその試合について何も言われなかった。それはもう敗退したんだと理解できた。それでも、前半はスピード感のある攻撃ができた」と大久保嘉人が振り返った。