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F1開幕戦で、驚愕の逆転劇発生!
人間のミスの連鎖が生んだドラマ。
posted2018/04/01 08:00
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph by
Getty Images
2018年のF1が開幕した。
2つのエネルギー回生システムを搭載したパワーユニットと呼ばれる高性能な内燃機関が導入されてから5年目。F1をもう一度魅力あるものにしようと、車体に関するレギュレーションを大きく変更してからは1年が経ち、今年は安全性向上を目的に導入されたコクピット保護装置の「ハロー」が搭載された以外、大きな変更は施されていない。
それでも、F1マシンの進化はとどまることを知らない。
開幕戦オーストラリアGPの予選でポールポジションを獲得したルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)が叩き出したタイムは1分21秒164。
1年前のハミルトンのPP(ポールポジション)タイムが1分22秒188だから、F1は昨年から1年で約1秒速くなったのだ。
新興チームのハースが序盤を盛り上げた!
マシンを開発するテクノロジーがいかに発達しても、その結果、マシンがどんなに速くなろうとも、それを作り、サーキットで走らせるのは、昔もいまも人間である。
今年の開幕戦は、そのことをあらためて実感した一戦となった。
レース前半を盛り上げたのは、チーム創設3年目のハースだった。
フェラーリと技術提携を結んでいるハースの新車VF-18は、フリー走行から高い性能を披露。チーム史上、最高位となる5番手と6番手からスタートし、レース序盤は優勝候補の一角と目されていたレッドブルとバトルを繰り広げる驚愕の走りを披露した。
ところがその後……ハースの2台は信じられないようなアクシデントに見舞われたのだ。