太田雄貴のEnjoy FencingBACK NUMBER
学校でフェンシングが超盛り上がる!
太田雄貴が目指す夢の「フェス」。
posted2018/03/26 08:00
text by
太田雄貴Yuki Ota
photograph by
Takanori Tsukiji
春。卒業の季節です。
高校までフェンシング部に所属していた学生の大半は、卒業とともに、フェンシングとの別れを経験します。
新天地での活躍にエールを送るとともに、次のステージでも、フェンシングを通して学んだことをぜひ生かしてほしいと思っています。そして、どんな形でもいいので、これからもフェンシングとの接点を持ち続けてもらえたら、と願っています。
とはいえ、現在、日本フェンシング協会の登録者数は6000人ほど。それを10年後には5万人に増やしたい、と大きな目標を掲げています。もちろん5万人の全てが選手ということではありませんが、「卒業」する人がいれば「入学」する人もいるように、登録者数がこれからも増えていってほしいと思いますし、高校生以前、たとえばこの競技を始めたばかりの小学生が、フェンシングをこれからも続けたいな、と感じてもらえるような環境を整えなければなりません。
森永製菓と一緒に作った「太田雄貴杯」。
2008年、私が北京五輪後に森永製菓への就職を決める際、「子供向けの大会を作りたいので応援してほしい」と会社に相談しました。
すると会社側も「社会貢献活動の一環としてぜひやりましょう」ということになり、始まったのが「太田雄貴杯」です。翌年に第1回を開催し、今年2月に第9回を開催しました。
コンセプトは小学生の大会であること、そして、国際大会レベルの、世界で1番の小学生の大会にすること、でした。
競技会として男女ともに個人戦47人が出場し、予選リーグを突破するとベスト32。そこからトーナメントを行う、本格的な試合形式です。
また、大会に参加する子供たちの足が開会式で震えるくらいの緊張感や、「この大会にまた出たい」と感じてもらえるような場の雰囲気作りにも力を入れました。
たとえば決勝戦が行われる「ポディウム(メインピスト)」は会場の真ん中に1段高く設置したり、とにかく出場した子供たちに「非日常」を意識付けできるような仕掛けを作ってみたり……。