猛牛のささやきBACK NUMBER
オープン戦4本塁打で突如注目株に。
オリ宗佑磨、今は天真爛漫を封印。
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byKyodo News
posted2018/03/22 17:00
宮崎キャンプは二軍スタートだったが、終盤の2月下旬に一軍に上がった。
「浮ついたところにつけ込まれるので」
その言葉の通り、以降は後ろを振り向くことなくガムシャラに打撃と走塁でアピールを続けている。
3月20日の広島とのオープン戦後、福良監督はその日のスターティングオーダーがほぼ開幕オーダーであることを認めた。
「あとはセカンドと5、6番ってとこじゃないですか」
つまり1番センター・宗は当確ということだ。
以前の宗は天真爛漫な言動も魅力的だったが、今、宗が発するコメントは慎重で控えめだ。
突然巡ってきたチャンスで周囲の想像を上回る結果を出し、突如、注目選手となった。そんな自身の現状を冷静に見つめ、足を踏み外さないように、あえて慎重に言葉を発している。
「浮ついたところにつけ込まれるので、隙を見せないために、しっかりと言葉を選んで、自分の思っていることを正しいかたちで伝えられるようにというのは心がけています」と大人の顔を見せる。
「今のままの気持ち、絶対誰にも負けたくないという強い気持ちだけは持ってやっていきたい。僕にとってはオープン戦だろうと公式戦だろうと変わらない。今ももう公式戦だと思って、必死で勝負をしているので、その勝負に絶対負けたくないし、せっかくのチャンスなので誰にも渡したくない」
シーズン開幕まで約1週間。初の開幕スタメンに向け、宗は前だけを見て突き進む。