リーガ・エスパニョーラ最前線BACK NUMBER
リーガで唯一の無失点ホーム6連勝。
3-5-2で戦う昇格組ジローナの秘密。
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph byGetty Images
posted2018/03/15 10:30
哲学者のような風貌だが、パブロ・マチンは生粋の戦術家である。ビッグクラブからの声がかかる日も近い?
マチン「どんなサッカーをしたいのか」
「毎年、選手の顔ぶれに合わせて進化させてきたんだ。ディフェンダーは5人より3人がいい。サイドの2人には自陣ではなく敵陣にいてもらいたい。ピッチを見て、陣形が3-5-2か最近では3-6-1、あるいはフォワードのうち2人がトップ下をも務める3-4-3になっているのが理想。そのときジローナは試合の主導権を握っている。すなわち勝利の可能性が高まっている」
3-5-2の使い勝手の良さを信じるマチンは、バルサ時代のグアルディオラが広めた自陣ゴール前からのパス回しにも、3-5-2は向いていると考える。いわく、フォーメーションを表す数字に意味はなく、大事なのはそのフォーメーションを機能させるためのアイデアなのだ。
「どんなサッカーをしたいのか。陣形がどうであれ、そのアイデアはピッチの上に現れる」
来季の計画を立てる中でマチンに色目を使い始めるクラブは日に日に増えている。マチンとジローナの契約は'19年6月末まで続き、マチンはジローナの町を第二の故郷と感じているが、サッカーの世界は一寸先が闇。今年の夏、マチンは大きくステップアップするかもしれない。