スポーツ・インサイドアウトBACK NUMBER
イチローとマリナーズの再挑戦。
古巣でのリスタートを期待する。
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph byAFLO
posted2018/03/10 11:00
マリナーズ復帰会見、チームは「WELCOME HOME」の文字でイチローを迎え入れた。
久々の年間100安打を達成できれば。
むしろ問題は、球団の首脳陣が、年齢という先入観に惑わされずにいられるかどうかだ。高齢になっても活躍したスポーツ選手には、節制と訓練と経験の三拍子がそろっている。もちろんそこには、丈夫な細胞やタフな神経という要素も入り込んでくるが、イチローの心身は、いま挙げた条件をすべて満たしているのではないか。
あまりに楽天的な希望ばかりを述べて、ひいきの引き倒しと思われるのも癪なのだが、2018年のイチローは、'17年に比べてきっと出場機会が増えると思う。昨年まで3年間在籍したマーリンズは、外野の駒があまりにもそろいすぎていた。
仮に今季、イチローが330回打席に立ち、300打数で2割7分の打率を残せば、通算安打数も3160本を超える。となれば、あのジョージ・ブレットを抜いて史上16位(19世紀のキャップ・アンソンを含む)にランクされるが、私の希望は350打数で2割8分強の打率だ。
つまり久々の年間100安打。この水準の数字をこつこつと積み重ねていけば、「50歳現役」という目標も実現に近づいていくのではないか。