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「野球人生、どうせあと数年ですよ」
西武・高橋朋己が探す完全復活の道。
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2018/03/09 07:00
一軍での公式戦復帰となった昨年10月1日の対日本ハムでは、最終回を無失点で抑える好投を見せた。
菊池雄星と話し合った練習の重要性。
菊池は当時を振り返る。
「朋己さんは1年近く投げられなかったですよね。僕も故障で投球できない時期がありましたけど、僕の場合は長くて半年くらい。朋己さんとは深刻さが違います。投手にとって、それは、なかなか大変なことだと思います。ですから僕に伝えられることがあれば、とも思っていました。僕のほうが年下ですけど、いろいろ聞いてくれるので自分の考えを伝えたりしました。
充実したトレーニングができれば、結果的に故障が減るだろうし、正しいフォームでトレーニングをする重要性や、その人に合ったセットの組み方、何回を何セット上げるかで効果が変わることとか……。そういうことはよく話しましたね」
長いリハビリ期間を経て高橋は昨シーズン、6月に二軍戦で復帰すると、9月30日には1年5カ月ぶりに一軍登録を果たす。10月1日の日本ハム戦でマウンドに上がったが、「まだ万全ではない状態」(高橋)というピッチングでシーズンを終えた。
牧田が抜けた必勝パターンに食い込むか。
今年こそ、完全復活をという思いは強い。
「今シーズン、僕は手術をする前のような、ポジションが用意されている立場じゃありません。オープン戦でも結果が求められると思っています。結果を出して、開幕一軍入りをすることが、まずは目標です。どこのポジションで投げるかわからないけれど、“自分はここで投げたい”と言える立場じゃありませんから、あくまで使っていただくという感覚です」
まずは横一線となった中継ぎ投手のポジション争いに勝つことが目標だと語るが、今年、ライオンズを離れた牧田和久(パドレス)やシュリッダーが担った、必勝パターンでの登板がチームからは期待されているだろう。
「今のボールが自分のボール」
過去の自分は振り返らない。未来だけを見ている高橋のピッチングに注目したい。