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五輪初代女王・高木菜那に聞いた。
マススタート必勝法、ありますか?
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byTsutomu Kishimoto/JMPA
posted2018/03/02 11:00
マススタート決勝、中団でレースを進める高木。駆け引きの存在こそが、この競技の醍醐味だ。
最終コーナーで最高のコース取り。
高木菜那にとっては、銀メダルだった昨年の世界距離別選手権の経験を生かしての金メダルでもあった。昨年は残り1周のところで高木美帆の前に出て、最後にキム・ボルムにかわされた。今回は最後の最後まで前に出るのを我慢した。先頭を滑るオランダのスハウテンを抜き去ったのは16周目の最終コーナーの出口付近だった。すぐ後ろについてきていたキム・ボルムのコースは自分でブロックした。
トップでゴールすると、両手を突き上げ、身長155cmの小さな身体すべてを使って喜びを表した。
「やったー! やったー!」
決勝に出た日本選手は高木菜那1人だった。しかし、彼女自身が言っていたとおり、この金メダルもまた日本スピードスケート陣の知恵と結束から絞り出された一滴だった。
高木姉妹に小平奈緒、女子パシュート……スピードスケート勢をはじめとしたメダリストたちの活躍と感動の瞬間。Number947号『完全保存版 平昌五輪 2018総集編 17日間の神話』でぜひお楽しみください!