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<五輪初勝利の先へ>
スマイルジャパン「本当の笑顔は4年後に」
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byJMPA
posted2018/03/01 10:30
それでも強豪と渡り合えるレベルに。
ただ、決定力不足が課題として浮上したのは、強豪を相手に競り合える位置にまで、そして勝利の可能性が見えるところまで、日本がたどり着いたからだ。
順位決定予備戦のスウェーデン戦で、決勝点となるロングシュートを決めた床亜矢可は言う。
「(強豪国に)勝つか負けるかというところまでは来たと思います。次の4年でもっと成長できると思っています」
床の言葉の通り、目標はかなえられなくとも、手ごたえはあった。選手たちは次のステップへと意欲を燃やしている。
今大会、何度も好セーブを見せ、格上と伍して戦う立役者となったゴールキーパーの藤本那菜は、厳しい眼差しで語った。
「もっと練習しないといけません。もっと世界を知らないといけません」
ソチからの4年間では、自分たちの力が通用しなかった屈辱がチームの力を上げる原動力となり、世界の上位と戦えると感じられるところへ日本を押し上げた。あとはそれを結果という形にするのみだ。
2022年の北京までの時間は長いようで短い。その愛称の通り、笑顔で五輪を終えるための戦いは、もう始まっている。