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<日本アイスホッケーの未来を背負って>
スマイルジャパン「心をひとつに」
posted2018/02/01 11:00
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
Nanae Suzuki
今も4年前を忘れられない。
「自分たちの実力のなさを突きつけられました」
当時も、そして今もチームの主将を務めるフォワードの大澤ちほはそう振り返る。
2014年2月。アイスホッケー女子日本代表「スマイルジャパン」は、日本にとって'98年の長野大会以来16年ぶりの出場となるオリンピックの地、ソチに足を踏み入れた。長野のときは開催国として得た出場権だったから、自力で出場を勝ち取ったという意味では、初めてのオリンピックだった。
チームは「メダル獲得」を目標に掲げ、大会に臨んだ。
だが、現実は峻烈だった。予選リーググループBの初戦でスウェーデンに0-1、第2戦のロシアには1-2と惜敗、この時点で予選リーグ敗退が決まる。その後も第3戦のドイツ、順位決定予備戦のロシア、7・8位決定戦のドイツに敗れ、5戦全敗で大会を終えた。
スウェーデン、ロシアといった強豪を相手に食い下がる場面も見られたが、1試合も勝てなかったという結果は変わりようもなかった。メダルとの距離は、あまりにも遠かった。
ソチ五輪後、選手たちは世界に目を向けた。
現実をかみしめたのは大澤だけではなかった。
「単純に実力不足を実感した大会でした」
ゴールキーパーの藤本那菜が言えば、ディフェンダーの鈴木世奈もこう語る。
「ひとことで言えば、悔しい、しか覚えていないくらい悔しかったです」
忘れることのない悔しさは、出発点でもあった。このままではいられないと考えた彼女たちは、自身の成長を志した。
藤本はアメリカのアイスホッケーリーグ「NWHL」のチーム「ニューヨーク・リベターズ」と'15年7月に契約し、海外へと活動の場を移した。
「ソチが終わって、世界に目を向けないといけないと感じました。'15年の世界選手権でベストGK賞をいただきオファーがあって、新たな選択肢ができました。視野を広げた方がプラスになるし、日本代表にもプラスになる、だからチャレンジしようと思いました」
チームではレギュラーを獲得。体格に勝る選手たちを相手にしながら、オールスターゲームのメンバーにも選ばれる活躍を見せた。