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スーパーラグビーついに開幕!
五郎丸歩&畠山健介が伝えたいこと。
text by
薦田岳史(Number編集部)Takeshi Komoda
photograph byTakuya Sugiyama
posted2018/02/23 17:00
大学時代からの盟友と。杯を傾け、日本ラグビー界全体のことを真剣に、時には笑いも交えて語りあった。
南アの選手はキックが異常に飛ぶ!?
畠山「それでジャンケンという言い方をしたんだけど、確実なのは、ジョージアがスクラムにかける思いというのは間違いなく世界一だということ。『俺たちにはこれしかない』といういい意味での開き直りがあって、その気持ちを伝えてくれるだけでもサンウルブズにとっては大きいと思う」
――サンウルブズのメンバーを見て気づいたんですが、共同キャプテンのヴィリー・ブリッツをはじめ南アフリカ出身の選手が増えています。これは2015年のW杯以前では考えられなかったことではないでしょうか。
五郎丸「W杯との関連はよくわからないけど、確かに南ア出身の選手はトップリーグでも増えましたね。南アの選手は、キックがめちゃくちゃ飛ぶんですよ。オーストラリアやニュージーランド出身選手のキックはどんなに飛んでも、想定の範囲内なので、守っている方もオッケーオッケーみたいな感じなんですけど、南アの選手に蹴られると、自分の想像より10mぐらい後ろに飛んでくる。ヤマハで一緒にプレーするゲラード・ファンデンヒーファーも尋常じゃないぐらい飛ばします」
野球やサッカーは、より先に進んでいる。
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畠山「なるほど、キッカー目線だね。南ア出身の選手は総じて、すごくまじめで献身的だよね、痛いプレーもできるし。フランカーのヴィンピー・ファンデルヴァルトなんかもすごく真面目だし、そこが日本にもすごくマッチするんだろうね」
五郎丸「考えてみれば、サンウルブズがスーパーラグビーに挑戦するって本当にスゴイことだよね。
野球やサッカーは、ラグビーよりだいぶ先に進んでいて、例えば野茂英雄さんが大リーグに行って活躍したというような歴史の積み重ねがある。ラグビーはようやく『世界のトップと戦う』という挑戦を一歩踏み出した。この経験がどんどん蓄積されて、いずれはサンウルブズを経験した選手が、そこから世界へのコネクションを作っていくことができるようになるかもしれない。世界のラグビーを知り、なおかつ日本代表のHCができるような人材が、長いスパンで見た時にここから育ってくるかもしれない。
ラグビー界の成長を考えたら、そういう長期的な視点でもサンウルブズは非常に魅力的だと思う」