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松井秀喜の言葉から探る打撃の真髄。
岡本和真が村田修一を越えるために。 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byKyodo News

posted2018/02/16 10:30

松井秀喜の言葉から探る打撃の真髄。岡本和真が村田修一を越えるために。<Number Web> photograph by Kyodo News

宮崎キャンプでは松井秀喜臨時コーチの指導も受けた岡本。果たして覚醒なるか。

「彼には早急な答えを求めない」

 残念ながら岡本の場合は、そういう会心の打球は10本打ってまだ5、6本といったところである。坂本勇人クラスになると右、左を意識的に打ち分けながら、ほぼ芯で捕らえたライナー性の打球を連発している。要はそこが一軍で活躍する選手と、そうでない選手の境界線なのである。

 岡本は技術的には、まだまだ未完成で課題は多くある。すぐに結果を求めるのは時期尚早というのが実態なのだ。

 ただキャンプ指導を終えた松井さんは、岡本の才能は認めて、長期プランでの育成を強調してこう語る。

「すぐに結果が出るにこしたことはないけど、そういうつもりでやっているわけではないですからね。2日や3日で結果が出ると思ってやっているわけではない。彼には早急な答えを求めるつもりはありません。1年を通じて見ているつもりですから」

 もちろん松井さんの語るように、結果が残るにこしたことはない。オープン戦で結果を残し、開幕一軍をつかんで村田の“後継者”として三塁のレギュラー獲りまで進めれば、それはそれでチームにとっては嬉しい誤算である。

 ただ、現状では、まだまだ安定して一軍で結果を残すのはなかなか困難かもしれない。ただ、そこで手早い結果を求めるのではなく、松井さんと二人三脚で手がけてきたバッティングをあきらめずにどこまで継続できるか。それが「10本打ったら8本以上は芯で捕らえた打球」を放てる安定感への道なのである。

まずファームで圧倒した成績を!

 プロ3年目の昨シーズンは一軍では15試合で打率1割9分4厘の本塁打は0本だった。ただ、ファームでは4番を任され、二軍の主砲として96試合に出場して打率2割7分で10本塁打である。

「まずファームで圧倒した数字を残さないとダメだよね」

 この数字を伝えると、松井さんもそう不満を漏らした。才能はあるが安定した技術がまだまだ追いついてきていない。

 村田修一を追い抜くには、まだしばらく時間がかかりそうである。

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