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40歳間近の俊輔が語る「衰え」。
メッシと、昔の自分と、今の自分。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byGetty Images
posted2018/02/18 09:00
ジュビロ磐田への移籍は驚きだったが、あっという間にチームの中心になったこともそれ以上の衝撃だった。
「今の自分は何ができて、何ができないか」
彼は時間が許す限り、欧州サッカー、Jリーグ含めてできるだけ多くの情報を頭に入れようと映像をチェックする。そして自分の過去の映像も「今の自分は何ができて、何ができていないかを確認しておくため」に見ているという。
ただボンヤリと眺めるのではなく、目的意識を持ったうえで見ている。
1年間フルに戦い抜いたばかりだというのに、早くも来年に目を向けていた。まあこれもいつものスタンスではあるが。
「やっぱり真ん中のゾーンでのプレーをもっと見せたいというのはある。セットプレーでの得点、アシストというのもやりつつ、スルーパスとか連動のなかで自分のプレーを見せたいというのがあるから。今年(2017年)よりも、得点やアシストの数自体をもっと増やしていきたいと思っている」
より攻撃の部分にウエートを置く?
そう尋ねると、彼は「それもそうだけど……」とちょっと間を空けてから、言葉をつなぐ。
「守備もやりたいよね。相手を追いかけて走りたい。目の前にいたら、追いかけたくなるし、チームメイトも自分がどうするかを見ているから。守備や走りも、一生懸命やることは変わらないとは思う」
詰まるところ、全部やろうとする。1つ衰えたら、すべてが衰え始める。1つの衰えを抑えられたら、すべての衰えを抑えられる。補うところは補いつつも、どの要素においても衰えないように意識する。飽くなき姿勢は、40歳を目前にしてますます盛んである。
頭のなかでもずっとサッカー。
今年はジャンプ、スクワット、ダッシュなど瞬発力を高めるトレーニングに重点を置いている。「真ん中のゾーンで、自分のプレーを見せる」ために、瞬間のキレ味を求めているように思えた。
「献身的にやりつつもメッシみたいにターンしてドリブルで運んだり、相手を剥がしてゴールに直結するプレーができれば攻撃の幅がもっと広がりを持ってくるはずだから」
メッシを見て、昔の自分を見て、今の自分を見て、その落としどころを探ろうとする。頭のなかでもずっとサッカーをしている。